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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸

「生まれてからの十六年間が空っぽのままで生きたくないの。
それに過去に使っていた物がまだ残っていたら返してもらいたくて」

思い出の場所に行くなら過去の私が使っていた物があった方が記憶が蘇るきっかけになると思った。


「ここまで知ってしまったのなら、本当のことを知る覚悟はあるのね」


首を縦に振るとついてくるように言われて、廊下の奥にある和室に向かった。

そこでお母さんは押入れを開けて大きなダンボールを5箱ほど取り出す。

これが過去の私の使っていた物だったらしく、箱を開けてみるとスクールバック、制服、教科書、雑貨などが入っていた。


「ひっ!何これ……」

スクールバックの中を覗くと血痕のついたスマホがあった。
自分で使っていた物にも関わらず引いてしまう。

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