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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占
猫を追って行った先は枯葉で覆われた傾斜のきつい土手。
バランスを崩して転びそうになった瞬間、体を抱くようにして後ろに引っ張られた。
その反動で私を抱えたままソラ先輩が尻もちをつく。
クッション代わりになってくれたおかげで私は全然痛くなかった。
「あっ、……ありがとうございます」
「まったく。キミは危なっかしいんだから」
一瞬の出来事できょとんとしている私の背後で、このドジを笑って流してくれるソラ先輩。
助けてくれたのがソラ先輩じゃなくて颯太だったらいいのに――――
「……大丈夫?痛かった?」
「なんでですか……?」