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イケないキミに白い林檎を
第27章 禁じられた快楽
手を離してみてからもう一度秋の手に向かってゆっくりと自分の手を近付けて触れてみる。
するとやはり何の恐怖感もなく普通に握手できた。
嫌な思い出をフラッシュバックすることもないし、体が震えたりもしない。
ソラ先輩には一切触れることができなかったのにどうして……。
「なんで私は秋には触れることができるの……」
「風子は握手くらいで驚きすぎ」
「さっきまで怖くて誰にも触れなかったんですよ。それがいきなりできるようになるなんておかしいです」
「いきなりじゃなくて、この前もボクの手からミルクティーを受け取ったじゃないですか」
気にしていなかったけど、間違えて買ったブラックコーヒーと交換してもらった時に普通に手渡しできていた。
「でも彼氏にも触ることができなかったから治ってなかったのかなって思って……」
「彼氏よりも近付けたとか嬉しいな。……そうなるとボクと風子は本当に運命の出会いをしたってことになりますよね」