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イケないキミに白い林檎を
第27章 禁じられた快楽
「なんですかそれ。さっき手を洗いましたから綺麗ですよ」
「綺麗とか汚いとかの問題じゃないんです」
「いいから手を出して」
「ごめんなさい。大丈夫じゃないですから――――」
胸の前で引っ込めていた手を秋に強引に握られてビクッと体が震えた。
触れられてフラッシュバックした時と同じことがまた起きるのか怖くなり、反射的に目をぎゅっと閉じてしまう。
「ほら。普通に触れてるじゃないですか」
「あれ……?」
目を開けると自分の手は秋と普通に握手をしていた。
手のひらを重ねて、指で握っている。
機嫌良く笑う秋の体温を確かに感じているのになぜか嫌な気持ちは一切ない。
失くした記憶を思い出すこともなく、誰にも触ることができなくなる前に戻ったような感覚だった。
「誰にも触れることができないなんて何かの間違いですよ」
「そっ、そんなはずは……」