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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
どうしよう……。
私のせいでとんでもないことになってしまった。
ソラ先輩は何も悪くないのに私は傷付けてばかり……。
体調が悪くなってきたことよりもソラ先輩が連行されてしまったことが気になって仕方がなかった。
このままでは犯罪者になってしまうと思い、私も交番に行って事情を話す。
解放してもらえたのは辺りが暗くなってからだった。色んな質問に長らく答えていたせいでソラ先輩は憔悴していた。
「本当にごめんなさい。今度から人前では気を付けます」
「無理矢理触れようとした俺が悪かっただけだから」
「そんなことありません。私が悪いんです」
早く克服しないからこんなことになったんだ。
これ以上傷付けないためにも、この恐怖症を治すのに焦る気持ちでいっぱいだった。
「乙羽さんはあいつのことが好きなの?……そうとしか思えないんだけど」