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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore
数日後。授業が休講になり予定が空いた時、使われていない教室に呼ばれて秋に体を求められる。
「あっ…、んんっ……。秋、これ以上はダメですって……」
露出している肌に繰り返される口付け。
彼女と別れた寂しさを埋めるように顔を近づけて私の体温を感じようとしてくる。
「お願いします。早く彼氏と別れて……」
耳元で囁かれてから秋の腕に包まれた。
今まで何人かの男に抱かれたから分かる。
抱かれた時の温もりは同じではないことを――――
二人で時間を潰してから、やましいことは何もしていない顔をして次の授業がある教室へ向かう。
「今日は一緒に座っていいですか?」
「はい、いいですよ。でも友達も一緒ですけど」
「ねえねえ、秋。ここの答えを教えて」
廊下を歩いていると同じ学科の女の子がプリントを持って食い気味に話し掛けてきた。
秋はよく頼られるからこう言う光景は珍しくない。
「待って。今は風子と話してるから後でいい?」
「えー!?ラブラブな二人を引き裂こうとしてるわけじゃないからいいじゃん」