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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore
「すごく気に入りました。素敵な言葉だと思います」
「俺も不安にならないように強くなるから、これから共に頑張ろう」
今の私たちの育てた花の蕾は傷だらけ。
それでもこの蕾を枯れることのない綺麗な花に咲かせたい。
指輪がはめられている右手を見るとまだ小刻みに震えている。
だけど小さく微笑んでから互いの指輪を重ねるようにソラ先輩の右手に触れた。
「体温熱くないですか?顔も赤いです」
「風邪薬を飲んでサプリメントで栄養をとっていたんだけど……」
「その様子だとまたろくな食事をしてなかったんですね。家事は私がやるから寝ててください」
「乙羽さんもさっきまで体調が悪かったんだし、ゆっくり休んでいた方が……」