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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花
「俺はキミの彼氏だよ」
電話の向こうの相手は落ち着いた優しい声でそう言った。
どこにいるのか場所を聞かれて答えると迎えに来てくれることになった。
「こんなところまで来て何があったの?」
私の彼氏だと言った人は高身長でスタイルがいい爽やかな男。
眺めていたくなるけど、目が合うと恥ずかしくなって視線を逸らしてしまう。
この人が私の彼氏なのが信じられない……。
「分かりません。何も分からないんです」
思い出そうとすると混乱して頭がズキズキと痛くなってくる。
何も考えるなと体が拒んでいる気がした。
頭を抑えて目を閉じていると男に背後から体を包まれた。
「大丈夫だよ。今は何も思い出そうとしなくていいから」