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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占
「ねー、空気読んでよ。今日は玲亜と過ごす日って決まってたんだからさー。地味女は邪魔なんですけどー」
「玲亜!」
「だって、颯太がさっさと地味女と別れないからじゃん!セフレ状態なんだからさっさとこいつを捨ててよ」
「ちがっ……、私は彼女です!」
バチンッ!――――
いきなりほっぺたに平手が飛んできた。
一瞬、何があったのか分からなかった。
「馬鹿じゃないの!?いい彼女ぶって!遊ばれてるだけなのに気づかれないとか本っ当に馬鹿女ね!」
頬にヒリヒリとした痛みが走る。
だけどそれ以上に痛いのは胸の方。苦しくて張り裂けそうだった。
「違うッ……、違いますッ……」
「颯太!玲亜とこいつ、どっちが好きなの!?」
「…………」
私と玲亜さんが視線を向けても、眉間にシワを寄せて口を固く閉ざしたままの颯太。
この沈黙がさらに空気を重くする。
お願い……。
私だって言って……
本当の彼女は私でしょ……