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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花
どんなに癒されても心の傷は消えなくて、たまに過去を思い出して泣くことはある。
忘れたくても忘れられない。
だけど、私のすべてを包み込んでくれる人がいたおかげで前を向いて歩くことができるようになった。
これまで数々の誘惑があって流されそうになったこともあった。
道に迷って大切な人を手放そうともした。
でも今の私がこうして幸せに笑えているのは、一途に見守ってくれていた人の恋を選んだから――――
「どうして林檎の花を捧げたいと思ったか教えてあげようか」
「はい……。知りたいです」
「それはね……、俺にとって風子が誰よりも美しい女だからだよ――――」
【完】