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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占
涙が止まったのは終電が近付いた頃だった。
それでもさっきの出来事が私の心をズキズキと傷付けている。
「帰ろうか……」
「帰りたくないです」
「乙羽さんは実家に住んでるんだろ。親が心配するよ?」
「子供扱いしないでください」
ズズッと鼻水をすすって言う私を見て、軽く笑いながら頭を撫でてくる。
「親からすれば大事な子供だろ」
一足先に大人の仲間入りをしたからって先輩面をしてずるい。
…………。
「ソラ先輩……っ、お願いがあるんです……」
「なに?……言って」
私を甘やかす都合のいい男。
もう彼氏がいないんだから自由に利用してもいいはずだ。
こういう時くらい甘えたくなる……。
「私を……、抱いてください……――」
再びソラ先輩の胸に飛び込んで自分の柔らかい胸を押し付けて断られないように誘惑する。
これに動揺したのか、私に触れる力が弱くなった気がした。
「…………。じゃあ、俺の家に行こう」