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コーストライン
第2章 黒電話
ニヤリと笑ったカレの顔が、叶和の顔に覆いかぶさる。
カレの顔が近づいてくるさまを瞼を閉じず叶和は凝視する。
カレの瞳孔は叶和を写しその顔は次に起こることへの欲を隠してはいなかった。
自分の姿を確認しその奥のカレを探る。
叶和の瞳に写るカレの顔も欲を隠さず女を求めていた。
唇が触れ合う手前、叶和は瞼を閉じ受け入れた。
「ぁぁ、そ、そこ。。。。」
カレは的確に叶和を高みに登らせていった。
はじめての叶和に性の悦びを教えたのはカレだった。
数年前の衝動に駆られるような激しいセックスが今は歯痒いまで感じる処を焦らされていた。
燻る熱に煽られ、叶和は今までには男に強請ることはない言葉を吐いていた。
「随分とエロい女になったんだな」
カレに蔑ような言葉を言われても、構わなかった。
そんな叶和を見てカレは満足気にあの頃のように激しく叶和を攻め立てる、待ちわびた刺激に合わせ叶和の躰が波うつ。
やっと手に入れた
そう思っていたのは叶和だけだったのか。
その時のカレの心情は叶和にはわからない。
そして再び二人は逢うようになった。
カレは連絡に自宅に電話をしてきた。
お互いの仕事の時間帯が合わないので叶和は次の月のシフトが決まった時点でカレに連絡し、カレの都合がつけば叶和の休日の二日前に連絡が入ることになっていた。
カレも経営者として忙しかったし、叶和もあのときのカレを知っているので逢えるだけでも嬉しかった。
二週間振りにカレから連絡が入り叶和はカレとカレの知人のプライベートBARに来ていた。
下の階は普通のBARになっていて上の階はその日受け付けた数名しか入れない場所になっている。
そして、そこでまたいつも見ている、でもいつもと違う同居人と遭遇したのであった。