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コーストライン
第2章 黒電話
カウンターの奥の席に、この間とは違う女性と同席していた。
叶和は、カレと一緒でなければこのBARに来ることはなかっただろうその場所に、圭吾は違和感もなく溶け込んでいた。
そんな圭吾はこちらに気づくこともなく女性とアルコールを嗜んでいるようだった。
結構、女慣れしているんだ。
そんな感想を持ったが、今はカレにこうして外であえた事が嬉しい。
カレと再会してからは会えば直ぐに躰を重ねることが当たり前だったから。
そのことには求められていると感じているので不満ではないが、カレと離れて一人のときは不安になる。
「なにをかんがえている」
叶和がぼんやりそんなことを思っていたら、カレがそう囁いた。
「デートみたいだなって」
「いつもあえば余裕なく叶和を求めていたからな
今日は余裕を持って過ごそうと思ってココに連れてきた」
「ありがとう
嬉しい、でもいつもみたいに余裕のないアナタも好きだわ」
「それはココの後のお愉しみってことで」
「期待してるわ」
「ああ」
そんな会話を愉しみなが、ひとときをを過ごす。
パウダールームに席を外したときカウンターをチラリと見る。
見知った人はそこにはいなかった。
用を済ませ鏡の前で手を洗い、メイクのチェックをしているときだった。
端の個室から何やら音が聞こえてきた。
叶和がパウダールームに入ってはじめに入ろうとした個室だ。
使用中だったので他の個室を利用したのだが、今だに使用中。
音が聞こえたので、中で人が倒れていたら大変と叶和思いその個室に近づいていった。