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コーストライン
第2章 黒電話




日付が変わり、夜が明けきらぬ前に家に着く。

家の中は人の気配がなく、しんみりとしている。

玄関を上がろうとして、足元を叶和はふと見る。

圭吾が普段履いているスニーカーだけがあった。


まだ、帰ってないんだ


そう思い、玄関に上がった時、玄関にある黒電話が、鳴り出し叶和はその音にビクリと肩を揺らしながら、反射的に手を伸ばし電話に出る。

数十秒、分に満たない間、電話口からは何も音はない。

微かに電話口から、ドアの開く音がしたと思ったら、ブツリと電話が切れた。

時折ある間違い電話かと思いながら、カレと逢った後の気怠さに部屋に急ぎ、服を脱ぎ部屋着に着替えて顔を洗う。

カレはそのまま仕事に戻り、叶和はそのままホテルの部屋で過ごすように言われるが、叶和は身支度をして部屋でそのまま過ごすことはない。

カレと過ごした空間で、起きたときカレのいない寂しさをあじわうのが嫌だから。

自分のベットに潜り込んで時計に目を向けると四時を過ぎようとしていた。


朝帰り


ここ数日で普段と違う顔を見せた同居人に気が向くが、以外だが若いんだしと根拠のない答えに納得していつの間にか叶和は眠りについていた。





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