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コーストライン
第5章 be ru ga na ru
「おい、圭
ちょっと店見ててもらってもいいか」
「ん、いいよ」
4月から高校に通うため、圭吾は家族とは離れ、母方の祖父の家に住んでいる。
祖父の家は灯台近くの海岸沿いにあることもあり、昼は小さな雑貨屋兼お土産屋をしている。
週末、灯台付近のその道は数多くの出会いを求めて賑わっていた。
そこに目をつけた、同居している、叔父が週末店の前に屋台を開いている。
「なんかあったら、奥にいる爺さん呼べよ」
「また、トラブル」
「ま、小さい事だろうさ
すぐ戻る」
人がよく世話好きの叔父は、この付近の人達に好かれていて、週末集まってくる若者にも慕われていて、なにかトラブルが発生した時はよく駆り出されていた。
学校が始まるまで、圭吾はこれとなくすることもないので、週末はそんな叔父の屋台を人生経験、人間観察を兼ねて手伝っている。
「あれ、真さんは」
「なんかトラブルってすっとんで行きましたよ」
「ま、いいか
お前達は俺達が戻ってくるまで、ココで待機」
「えー、連れてていってくれるって言うのに、兄さん約束違うよ」
「お前達いるとツレねーから」
「連れてきた時点でツレないって」
「折角来たから、ツレなくても様子見
一周したら迎えに来るからココで好きなもん食ってろ」
「ゴチだよね」
「勿論」
「叶和いい?」
「ん、いいよ
どんな感じかって来てみたかっただけだし、ちょうどお腹空いたから」
「じゃ、
圭、真さんにコイツらよろしくって言っといて」
「はい、でもそっちに言ったから多分会うんじゃないですかね」
「あっ、そうだな
お前らショロショロしないで大人しく待ってろよ」
「そんなんだったら連れてってくれればいいのに」
「だから「あ、おでん有る
マリ、半ペン好きだよね、お兄さん達は、大人の付き合いがあるだろうからココで待ってよう」
叶和は、連れてきてくれたお兄さんと友達にそう言い屋台のパイプ椅子に腰を降ろした。
それを見て、お兄さんはマリにじゃあな、と言って車の方に向かって行った。