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第5章 be ru ga na ru




「コレ、セルフで良いんですよね
お皿下さい」



おでんを指差して、叶和は皿を受け取るとおでんを物色し始めた。

選んだおでんをおでん鍋の中に有る味噌ダレが入っている壷に浸し、皿の上に置いていく。

鍋の横に置いてある好みでかける青海苔とだし粉の入った容器から、少し手を止め悩んだが、だし粉をスプーンで掬い、叶和はふりかけ、先程座っていたパイプ椅子を引き座る。



「マリも食べれば」

「アッチまで行きたかったのに」

「そう言う約束でしょう、お兄さんもマリがしつこく言うから妥協してここまで連れてきてくれたんだから、今日はマリも妥協してあげなよ」

「絶対、今度は兄さんに頼まない」

「こんな妹でも、兄さん心配なんでしょ」

「こんなってどーゆー意味」

「そのままの意味」



そんな二人のやり取りを、流すように聞きながら、圭吾は店の雑用をする。



「すみません、ココ飲み物あリます?」

「あ、すみませんあります、メニューいりますか」



車でくる客が、殆どではあるが屋台の直ぐ横には店でも食べられるように簡易テーブルと椅子が置いてある。

立地上店は海岸沿いに面しているがその横には街道に繋がる道にも面していて、その道を使い、海岸通りに来る車も多い。

叔父の目論見で街合わせの場所として屋台は繁盛している。

メニューを渡し、決まりましたら、呼んでくださいと圭吾は言い、雑用に戻る。

と、同時に真が店に戻ってきた。



「あー、君達かさっきお兄さんから聞いたからゆっくりしてって」

「ありがとうございます、兄達どれくらいで戻ってくるのでしょうか?」

「車が多くなってきたから往復したら、一時間はあるんじゃないかな」

「マジで」



そんなマリ達のやり取りを聞き流し、叶和はアイスティを頼む。



「今ココ混んでないからゆっくりしてけばいいよ
暇だったら俺が相手するし
圭、アイスティ二つ」



そんな三十近い叔父に何言ってんだよと心でツッコミを入れ店からアイスティのペットボトルを持ってきてテーブルに出す圭吾であった。





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