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日は昇り、日は沈む
第1章 ひなた村
「タカちゃん、今日の日没は?」
「うん、今日は午後5時27分」
「そうかい、日が短くなったねぇ」
両手を腰に回し、丸くなった背中を無理に伸ばして明美が空を見上げた。
「寒くなってきたから風邪に気を付けてね、おばさん」
「ああ、ありがとう。タカちゃんも遅刻しないようにね」
「うん」
明美に手を振り、タカオはバイクを走らせた。
近頃はネットの普及で、新聞を取る家がめっきり減った。だがこの村にはパソコンが1台もなく、携帯電話もまともに普及していない。
それは、山に囲まれているせいで、村に電波が届かないからだった。
全ての家に新聞を配り終えたタカオは、いつものように山頂を目指した。
「うん、今日は午後5時27分」
「そうかい、日が短くなったねぇ」
両手を腰に回し、丸くなった背中を無理に伸ばして明美が空を見上げた。
「寒くなってきたから風邪に気を付けてね、おばさん」
「ああ、ありがとう。タカちゃんも遅刻しないようにね」
「うん」
明美に手を振り、タカオはバイクを走らせた。
近頃はネットの普及で、新聞を取る家がめっきり減った。だがこの村にはパソコンが1台もなく、携帯電話もまともに普及していない。
それは、山に囲まれているせいで、村に電波が届かないからだった。
全ての家に新聞を配り終えたタカオは、いつものように山頂を目指した。