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日は昇り、日は沈む
第2章 ひなた村事情1
「でもフミ、今日は大雨にしてくれないと、みんな漁に出ちまうから話し合いにならないぞ」
「みんなが我儘ばかり言うからこんな事になるんだよ。一年分の降水量は決まってんのに、まったく。去年は晴ればかり要求するから、年末にかけて雨を消費するの大変だったし……」
その係、俺にやらせてくれたらいいのに、と、タカオは思った。
「あはっ、そういえば台風を1個ストックしてあったんだ。じゃあ午前中だけ暴風雨だね。タカちゃんも台風で休校になるからちょうどいいね」
フミはそう言うと、壁に並んだ5個のボタンのうち、渦巻きマークがついたボタンを右の人差し指でピッと押し、一本突き出た銀色のレバーを、左手で掴んで下に倒した。
ガチャン
「みんなが我儘ばかり言うからこんな事になるんだよ。一年分の降水量は決まってんのに、まったく。去年は晴ればかり要求するから、年末にかけて雨を消費するの大変だったし……」
その係、俺にやらせてくれたらいいのに、と、タカオは思った。
「あはっ、そういえば台風を1個ストックしてあったんだ。じゃあ午前中だけ暴風雨だね。タカちゃんも台風で休校になるからちょうどいいね」
フミはそう言うと、壁に並んだ5個のボタンのうち、渦巻きマークがついたボタンを右の人差し指でピッと押し、一本突き出た銀色のレバーを、左手で掴んで下に倒した。
ガチャン