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第1章 報せ

「…いえ、亡くなられたの、昨夜だそうで…会社の方も混乱されてる感じでした…」

「あぁ、そう。ま、そうだろうなぁ…吉田さん、彼と知り合いなんだろ？」

「………」

こくん、と頷く。
昌幸さんの紹介で、この産休代替の仕事をさせてもらってるけど、恋人として付き合ってる関係だというのは、先生には言ってない。流石にそこは職権乱用と言われても仕方ないと思うから。だから、今私が昌幸さんの子供を妊娠してる事も、当然秘密…

先生は顎をひねりながら、

「ま、知り合いでも家族の連絡先なんか知らんわなぁ…」

私はまた、コクリと頷いた。

「土田さんっつったっけ？明日のアポはキャンセルって連絡だったの？」

「あ、いえ、深谷さんの代わりに、その土田さんが来られるそうです。」

「ふぅん。じゃその時にでもちょっと聞いてみるか。告別式に、弔電くらい入れされて貰いたいよねぇ。家族が拒否したらそれまでだけど。」

私も上の空で頷いた。