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手を繋ごう〜愛憎II〜
第13章 不穏
プルップルップルップルッ

ラブホテルの電話が鳴り響く。

ベッドで抱き合いながら寝ていた誠はその音でパチッと目を覚ました。

「うぅぅぅーん」

抱きしめている萌のつるつるした肌に名残惜しく感じながらも、ベッド際に取り付けられている電話に手を伸ばす。


5時半に起こしてもらうように、フロントに頼んでおいた。

ガチャッと受話器を取り外し

「はい」

と、応答する。


少しフロントの人と話をして、愛おしい彼女の寝顔をじぃっと見つめる。

(あの時は…こうやって見てるだけだったけど、今では抱きしめられるんだな…)

一番最初に萌とラブホテルに行った時の事を思い出し、そう思いながら、裸で寝ている萌をぎゅっと抱き締めた。


あの後、風呂に入って、もう一度愛し合った二人は、遊園地ではしゃいだ疲れもあり、フロントにモーニングコールを頼み、泥のように眠っていた。


愛しい彼女をいつ起こそうか…誠は考える。

(七時には俺んちに戻るような感じだから…もう起こさないとな…)

起こすのが勿体無い…そう思いながらも、

「萌、萌」

と、萌に呼び掛ける。


「うぅぅぅ〜ん」

眉を寄せる萌。

いつも起こすのに時間がかかる、愛おしい彼女。

(どうやって起こそうか…)

考えた誠は萌に深いキスをする。

暴れる舌に

「ふぁ…ん」

甘い吐息を漏らしつつ、パチッと目を覚ます萌。

先ほど、男の朝の生理現象を治めていた筈が、萌の声を聞いて復活してくる。

(やばっ勃っちゃった……)


そう思いながらもも、

「おはよ、萌」

と、軽くキスをする。

まどろんだ顔をしつつ

「おはよぉ、まこちゃん…」

んん〜と背伸びする萌。

胸が誠の顔に直撃する。

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