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手を繋ごう〜愛憎II〜
第15章 動き出す思惑
自慰行為の時にしていた妄想を思い出し、
(いつか、萌とそんな風に出来たら良いな…)
萌のあられもない肢体や声を思う。
そんな折、
「えのもとくん…榎本くんっ」
小橋カンナが豊の顔を覗き込み、
「どうしたの?」
と、言われたのに、
ハッと豊は現実を思い出す。
(そうだ…今はパート練習をしていたんだった…)
最近こんな状態に陥る事が多い。
九月に萌と誠が付き合い始めたと知ったあとから。
豊は冷静な感情を取り戻そうと必死に取り繕い、笑顔で
「すみません、眠かったもんで」
と、苦笑いして言っていた。
そんな豊にカンナが
「どうしたのー?榎本くんらしくない」
と、笑いながら言った。
(僕らしくない…?)
カンナから言われた一言で、豊の思考は混乱する。
(僕らしくない?僕らしくないってなんだ?)
頭を搔き乱したくなる。
母親からの否定的な言動や自分が願っていた事とは真逆な事になってしまった現実。
そんな状況を思うと、本当の自分とはなんだろう…そんな気持ちが芽生える。
(なんだ…これ…)
ぐるぐると床が回り出すような感覚。
カンナはそんな豊を見て、怪訝な表情を浮かべ
「ホントに大丈夫…?榎本くん…」
と、聞かれた事にまたハッとし、
「大丈夫です。練習しましょう」
と、カンナ達に言っていた。
唯は遠巻きからそんな豊の様子を見て、
(私は…どうしたら…)
葛藤が生まれていた。
(いつか、萌とそんな風に出来たら良いな…)
萌のあられもない肢体や声を思う。
そんな折、
「えのもとくん…榎本くんっ」
小橋カンナが豊の顔を覗き込み、
「どうしたの?」
と、言われたのに、
ハッと豊は現実を思い出す。
(そうだ…今はパート練習をしていたんだった…)
最近こんな状態に陥る事が多い。
九月に萌と誠が付き合い始めたと知ったあとから。
豊は冷静な感情を取り戻そうと必死に取り繕い、笑顔で
「すみません、眠かったもんで」
と、苦笑いして言っていた。
そんな豊にカンナが
「どうしたのー?榎本くんらしくない」
と、笑いながら言った。
(僕らしくない…?)
カンナから言われた一言で、豊の思考は混乱する。
(僕らしくない?僕らしくないってなんだ?)
頭を搔き乱したくなる。
母親からの否定的な言動や自分が願っていた事とは真逆な事になってしまった現実。
そんな状況を思うと、本当の自分とはなんだろう…そんな気持ちが芽生える。
(なんだ…これ…)
ぐるぐると床が回り出すような感覚。
カンナはそんな豊を見て、怪訝な表情を浮かべ
「ホントに大丈夫…?榎本くん…」
と、聞かれた事にまたハッとし、
「大丈夫です。練習しましょう」
と、カンナ達に言っていた。
唯は遠巻きからそんな豊の様子を見て、
(私は…どうしたら…)
葛藤が生まれていた。