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手を繋ごう〜愛憎II〜
第15章 動き出す思惑
「萌と豊もなんかあったんでしょ?」

その言葉に、萌は俯きながら

「…やっぱり、バレてました?」

と言った。

「うん。なんと言うか…話さない時期と言うか…そう言う時期二人あったからね。何かあったんだろうなって思ってた」

そう言うカンナに

「五月に告白されてて、八月に、唯ちゃんから相談は受けていたんですけど…どう思われるか嫌で何も話せなかったんです…」

と、萌はカンナに言う。

「そりゃそうよね…友達が好きな相手から告白…なんて、私も言えない…私から唯に言ってみようか?」

そう言うカンナに萌は

「……後で話してみます…。」

と答えていた。


全体練習中、萌は上の空になっていた。

(カンナさんに、私から話すって言っても…私、何から話せば良いんだろう?)

そんな事を思ってオーボエを吹いていたら、顧問であるゆうが、

「ストップ!!」

と、大声を出した。

その言葉に萌はハッとする。

ゆうはツカツカとこちらにやって来て、

「萌ちゃん、どうしたの?ズレてるけど…」

と言った。

「あ…すみません…」

そう謝る萌の隣でふふんと鼻白む笑いが聞こえる。

横にいた唯だ。

(そんな…唯ちゃんが?)

いつもならミスをすると、「どんまい」など声をかけてくれる唯の姿ではない。

萌はズレたショックより、唯にそんな態度をされた事がショックで仕方がなかった。

(でも…今どう切り出せば…)

そんな事を思いつつ、今度は頭を切り替えて、オーボエを吹き始めた。



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