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手を繋ごう〜愛憎II〜
第16章 買い物デート
榎本豊は、唯を陵辱したあと、偶然街で手を繋ぎながら話をしている二人を目撃していた。
まさか、自分の事を話している事なんて露とも知らない。
二人は立ち止まり、萌の頰を誠が軽く抓る仕草を見た時、萌に対する慕情より、誠に対する殺意が芽生えていた。
いつも二人の家を張っていたり、喫茶店を見ていたりしたが、手などは繋いでいても、こんな風に二人がやり取りをしている姿を見るのは始めてだったのだ。
いつも装備していたカッターナイフ。
「勉強で使うから」で、通していたシロモノ。
筆箱にあるものをどこで取り出そうか…考えあぐねていた。
二人は店で別れたらしい。
どちらを追うか、豊は考えた。
(萌は後で良いとして…川仲誠を尾けるか…)
そう思い、誠を尾行する。
入って行ったのはジュエリーショップ。
顔を赤く染め、店員と話す誠の様を見て、亮達みたいな仲間にとっては微笑ましい顔であるが、豊にとってはそれが忌々しく思う。
自分にはないものだったからだ。
豊にとっての幸せの概念。
誠にはそれを全て手に入れている様な気がしていた。
しかし人が多い。
こんな所で誠を襲ってしまえば、恐らくすぐ自分は捕まるだろう…。
そう思った豊は、二人だけしかいない時を狙うことにした。
(川仲誠の家の前か…どこで狙おうか…)
意外にも早く、人気の無いところを二人は歩き始めた。
少しずつ距離を縮めていく。
その時、誠がパッと後ろを見て、萌と走り始めた。
(くそっ!見つかったか!)
そう思いながらも、二人を追うが、二人はコンビニに入って行った。
(逃げられたか…)
豊はそう思い、足早に去って行く。
そんな殺傷力を持つものを持ってもいない。
それは豊自身も認識していた。
狙う標的はただ一人。
川仲誠。
(どこで狙おうか…)
そんな事を思いながら、豊は夜の街に消えて行った。
まさか、自分の事を話している事なんて露とも知らない。
二人は立ち止まり、萌の頰を誠が軽く抓る仕草を見た時、萌に対する慕情より、誠に対する殺意が芽生えていた。
いつも二人の家を張っていたり、喫茶店を見ていたりしたが、手などは繋いでいても、こんな風に二人がやり取りをしている姿を見るのは始めてだったのだ。
いつも装備していたカッターナイフ。
「勉強で使うから」で、通していたシロモノ。
筆箱にあるものをどこで取り出そうか…考えあぐねていた。
二人は店で別れたらしい。
どちらを追うか、豊は考えた。
(萌は後で良いとして…川仲誠を尾けるか…)
そう思い、誠を尾行する。
入って行ったのはジュエリーショップ。
顔を赤く染め、店員と話す誠の様を見て、亮達みたいな仲間にとっては微笑ましい顔であるが、豊にとってはそれが忌々しく思う。
自分にはないものだったからだ。
豊にとっての幸せの概念。
誠にはそれを全て手に入れている様な気がしていた。
しかし人が多い。
こんな所で誠を襲ってしまえば、恐らくすぐ自分は捕まるだろう…。
そう思った豊は、二人だけしかいない時を狙うことにした。
(川仲誠の家の前か…どこで狙おうか…)
意外にも早く、人気の無いところを二人は歩き始めた。
少しずつ距離を縮めていく。
その時、誠がパッと後ろを見て、萌と走り始めた。
(くそっ!見つかったか!)
そう思いながらも、二人を追うが、二人はコンビニに入って行った。
(逃げられたか…)
豊はそう思い、足早に去って行く。
そんな殺傷力を持つものを持ってもいない。
それは豊自身も認識していた。
狙う標的はただ一人。
川仲誠。
(どこで狙おうか…)
そんな事を思いながら、豊は夜の街に消えて行った。