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手を繋ごう〜愛憎II〜
第16章 買い物デート
コンビニで、店員がレジに来た客に、弁当を温めるかどうか聞いているのを遠くで聞きながら、誠と萌は二人本棚の所で青ざめていた。

「まこちゃん…どうなるの?私達…」

そう言う萌に

「大丈夫だ。大丈夫だから」

と、ギュッと手を握りしめているが、誠にはそれがすごく歯痒く感じる。

何故、こんなにも自分は非力なのか。

もっと力があれば…。

悔しいと言う思いと、この判断は間違いではなかった…そんな葛藤が過ぎる。

(あの銀色の光…俺たちを狙ってた…)

自分らの周辺に人が他にいなかったこと。
それが決定打になっていた。
人がいれば大惨事に繋がっていた可能性があるが、もしかしたら、早期に犯人が捕まっていた…そんな可能性もある。

(俺たち、ホントどうしたら…)

誠はそんな苦しみの中で、コンビニの前に一台の車が停まったのを確認した。

「萌。ゆうちゃんだ」

そんな誠の言葉に、萌はホッとした表情を浮かべる。

そのホッとした表情にチクン…と心が痛む。

これで良かった…そう思っている筈なのに、何故か痛くなる心。

ゆうと健太がコンビニ入って来た。

「まこちゃん!萌ちゃん!」

青ざめて話し掛けるゆうに萌が駆け寄り、ゆうは萌を抱き締める。

「無事で良かった…」

そう言いながら、無言でゆうは誠を見つめる。

(あ…俺…顔に出てたか?)

そう思った誠は

「いやぁもう、びっくりしちゃったぜーははは!」

と笑みを取り繕う姿を健太が見て、頭をポンと叩き、小声で

「頑張ったな。少年。」

と、言う。

その言葉に泣きそうになり、

「うん…うん…」

誠はそれしか言えないでいた。


「一先ず、家に行きましょう。その時…まこちゃん。お話しましょうね。」

ゆうは朗らかな表情を浮かべ言う。

萌は何か察したのか

「まこちゃん。」

と、誠に駆け寄り、誠の手をぎゅっと握る。


萌の暖かい手をぎゅっと握り締め

(俺がこいつを守るんだ)

そう再確認した瞬間だった。



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