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手を繋ごう〜愛憎II〜
第17章 誠邸で
健太の車に乗り、誠宅に着いた誠は、萌やゆう、眠りについている雪香を抱いた健太を家に入れた。

もう気が付けば今日で11月。

部屋にひんやりとした空気が流れる。

「ごめん。今暖房付ける。あと、雪ちゃんの布団も出すか?」

誠がゆうに言うのを

「ありがと。ソファで寝かせるから毛布で良いわよ」

「子ども用の布団なんてもう捨てたと思うからな…」

と、リビングの隣にある仏間から毛布を取り出した。

ゆうはそれを受け取ると、二つ折りにし、健太が二つ折りにした毛布の中に雪香を寝かせる。

ふにゃーとした寝顔に誠が

「幸せそうに寝てるなぁ…」

と、優しげな表情を浮かべ見ている姿を見て、

「あら、貴方だってこんな時があったのよ。それはそれは可愛い寝…」

と続けそうなのを誠は顔を赤らめて

「それよりも!今日の事だけど!」

と、強い口調で言った。

普段ならそこで一同ニヤリとする所だが、ゆうはハッとし

「ごめんごめん」

と、頭を掻き、神妙な顔をして言った。

「…それで…これは普通の通り魔なのか、ゆうが心配する事なのか、どちらで話をしようか?」

車の中で今の二人が置かれている状況をゆうに聞かされたらしい健太は、誠に状況を話すように誘導する。

「…分からないんだけど、ゆうちゃんから話が昇って、警戒している最中だったから、ゆうちゃんの心配する方で話を進めた方が良いと思う…。
それに…萌と俺以外、道を歩いてる人がいなかったんだ。だから…」

と話す誠にゆうは覚悟が出来た表情を浮かべ、誠に話をし始めた。

「…個人情報の兼ね合いとか、色々情報は入っていたけど、動きが全く無かったから話をしていなかったんだけど…」

ゆうは俯く。

「今まで黙っててごめんなさい。恐らく…まだ恐らくの話なんだけど、今回まこちゃんと萌ちゃんを追った人…信じたくないんだけど、うちの生徒よ…」

と、話すのに、誠はどんなリアクションを取って良いか分からず、萌と顔を見合わせる。
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