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手を繋ごう〜愛憎II〜
第1章 プロローグ



青々とした新緑が芽吹き、花を咲かせ、散る季節。

五月



僕はある女の子を裏庭に呼び出していた。


髪の毛が肩まであり、栗色の毛先は巻いているのか内巻きになっており、目がくりくりした、小さな唇が印象的な女の子。


四月に入学して来た時、僕は女の子に一目惚れをした。

思わず見惚れてしまう笑顔と、真面目な事を言っているにも関わらず、ほんわりした雰囲気。


影で見つめていて


(あぁ、良いなぁ……)

と、思っていた。


けれど、その子には仲の良い男子がいた。



「萌ぇ〜、おはよ〜!昨日のテレビ観た?」

「観た観た!まこちゃんが言うように、凄く楽しかったよ〜」

と、二言三言話をしていて、通り過ぎて行く男子。


女の子からは何も感じなかったが、男子の方は、いつの間にかその子を目で追ってる…そんな印象を持っていた。


(負けられない!!)

そう思い、呼び出したのが今日。



あの子がやってきた。

噂によれば、早々から呼び出しをされていて、やんわりと断っているらしい。

僕は同じクラス。しかも、あの子と同じ吹奏楽部だ。

きっと僕なら大丈夫!!

そう意気込んであの子を待っていた。






僕の前にあの子が立ち止まる。


「ごめん!待った?どうしたの?」

顔を覗き込むあの子に


「好きなんだ。良かったら僕と付き合ってくれないか?」

告白した。

「あ…えっと…今男子とか興味なくて。それに、あなたのことをそう思えません。付き合えません。ごめんなさい。」


そう言って去って行くあの子。


瞬殺……。

ガクンと項垂れる。


でも、まだいける。
まだいける。


あの子に見て貰えるように僕、頑張るんだ!


そう決意したあの日は



……あの時無残に散った。

















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