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手を繋ごう〜愛憎II〜
第23章 ゆいの状態と誠の決意
一年半その恐怖と闘っていた美咲は
「ちょっと、外の空気吸って来る!」
と、走り出し、隆が
「大丈夫か?!」
と追いかけた。
英語教諭は俯きながら
「何しろ酷いらしいんだ…体が…婦女暴行に近い事を数日に渡ってやられていた可能性がある…と言われた…」
「その上にドラッグ…」
ゆうは呟く様に言い、萌は吐き気に襲われ、怒りが出て、夏子は呆然と座り込んでいる。
そんな時、パタパタと誠達3人が走ってやって来た。
「まこちゃ…!!」
誠が来た途端、誠を抱き締める。
「萌、大丈夫か?」
「まこちゃん…私…許せない。許せないよぉ…」
と泣き出す萌に、何かを察したのか、誠が黙って抱きしめた。
「犯人の特定は?」
そう聞くゆうに英語教諭が
「鎖に指紋が残ってるかと思って、警察が指紋を採取してみたらしいが、何も出なかったらしい。」
と言うが、萌は
「榎本くんに決まってるでしょ?!榎本くんに!!」
と涙ながらに訴える。
誠が「萌」
と、止めた。
「榎本…ってうちのクラスの榎本か?澤村先生が何回も面談してた…そう言えば、警察が川仲と高橋の家と学校周辺を巡回するって言ってたな…」
ゆうは頷き
「ええ…。彼は川仲に執着してました。あと、ここにいる高橋にも…」
その言葉を冷静な表情で聞いてる誠に萌が疑問に思い、
「怖くないのっ?!唯ちゃんをこんなまでにするって事はまこちゃんもっと酷い目に遭っちゃうかもしれないんだよ?!」
と聞く。
その言葉に
「俺だって怖いよ…怖いけど……でもその恐怖は、最終的なあいつの目標はお前だと思ってるから、その恐怖だよ…」
と言う。
英語教諭は
「榎本、明日来ると思うか?」
ゆうに聞く。