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手を繋ごう〜愛憎II〜
第24章 萌の部屋
(ちっ。あいつら、サツまで入れやがって…)
帽子の上にフードを被った豊は萌の家の塀の側にいた。
(しかも、あいつが…あいつが…!!)
ダンッと拳を塀に入れる。
ダラダラと滴る血を啜りながら
萌の部屋付近をみる。
(…………!!)
少しだが裸体の萌に、裸体の誠がセックスをしてる姿が見える。
(コロシテヤルコロシテヤル殺してやる……)
警察の巡回に引っかかってはまずい。
そのまま街に溶け込む豊。
いつものクラブは恐らくもう使えないだろう。
唯を鎖につけ、教室に放置した時から、その線は考えていた。
ピンッカシャッ
ジッポでタバコを吸い、ガードレールに寄りかかりながら考える。
なにか思いついたように携帯電話を取り出し
「…もしもし…」
と話し始める。
クラブで知り合った密売人。
良い所を見つけ、隠れているらしい。
唯のドラッグもそこから仕入れたものだった。
「バタフライナイフの調達、お願いできますか?」
少し前の少年犯罪から、少年法で規制された凶器。
メモ帳を取り出し、指定振込先を書く豊。
拳銃は扱いきれない。
他の人まで殺る可能性がある。
ただ狙うのは川仲誠、たった一人だ………そう思いながらーーー