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手を繋ごう〜愛憎II〜
第25章 学校閉鎖と墓参り
誠は紘、波留、夏子、萌を伴って、萌の父が眠る墓地へ来ていた。

つい先ほど、ゆうから連絡があり、唯が目覚めた…そう報告を受けた。

けど、話せる状況ではない…とのこと。

まだこれから、もしかすると、違う症状が出て来てしまうかもしれない…とのことだった。

「どうなるのかな…唯ちゃん…」

肌寒さに少し厚めのコートを着た萌は俯いて話す。

「わからない…これは…今は病院と先生たちに任せるしかない…」

誠は呟く。

自分たちが出て来たら、恐らくもっと混乱するだろう。

長い月日がかかるかもしれない。

その前に

「妊娠…」

波留が呟く。

「そうなってなければ良いのだが…」

紘は呟く。

長い月日がかかるのに、これがあると、唯自体を急がせてしまう。

結果的に頭が追いつかなくなって…。

「榎本くんだったら、ホントに許せない…っ」

萌が拳を握るのを、誠はその拳を黙って握った。

萌の父の墓地に来た。

持って来た箒とちりとりで周辺を掃除し、墓石に水をかけ、誠はしゃがみ込み、持って来たろうそくに火を付ける。

五人で手を合わせる。

(おじさん。力を下さい。萌を守れるように、俺に力を下さい)

そう思いながら、墓石を見る。

ろうそくの火を消し、みんなで顔を見合わせる。

「うし。まずは、3日間猶予期間が出たんだ。でも、萌と誠はあまり外に出るなよ?誠のバイトの時間になったら、迎えに行くから、絶対外出るな。」

紘の言葉に黙って頷く萌と誠。

「その前に…」

夏子が言い、

「甘い物でも食べに行こっかっ!」

と、萌が言ったところで、何故かゾク…ッとデジャビュを感じた。
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