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手を繋ごう〜愛憎II〜
第25章 学校閉鎖と墓参り
その様子を隣でじっと見ていた波留が、
「お前、ちょっとトイレ付き合え」
と、誠に声を掛ける。
(連れションとかあまりしない波留が…?)
そう思い、
誠は
「ちょっと行ってくる」
と、波留を追いかける。
ガタン…
トイレの水洗い場で、波留と誠は向かい合う。
「なした?」
わざとおどけた表情で話す誠に、波留が真剣な表情を浮かべ
「お前ら、惑わされてる。」
と、一言で言う。
「…え?」
「考えてみろよ。先週の金曜日に唯ちゃんと榎本の様子がおかしくなって、その後、刃物で追いかけられて…。そして、昨日、あんな事件があった。」
そこで誠は考え込むそぶりをする。
「もし、同一だったら…」
呟くように言う誠に
「そう。わざと、起こしてる。お前ら二人を内部破壊をさせようとして目論んでる。精神的にじわじわと追い詰めるようにしてな。」
波留は吐き捨てるように言う。
ぞくっとしながら誠は
「な、なんでそう思うの?」
と聞く。
「萌ちゃんと唯ちゃんの関係性から見てみろ。仲が良かった…そうは言っても、恐らく唯ちゃんの心にもしかしたら、別の思いがあったのかもしれない。」
「そ、それって…」
「話しを聞いてる限り、嫉妬。その部分を嗅ぎ取って、唯ちゃんに近づいたか、唯ちゃんが近付いたかしたんだ。まずは萌ちゃんと唯ちゃんの関係性を壊す事で、一つ萌ちゃんに喪失感を生ませる。…俺、少し前にじいちゃん亡くしてるけど…、喪失感は結構怖いものだ。心に隙間を生ませる。そこを犯人は付け込みやがった。」
「そんな巧みな事が出来るのか…?」
「恐らく、本人は気付かないまでも、そう言う精神構造を熟知してるか、予期せず熟知してしまったヤツ。恐らく俺は後者だと思う。そう言う精神構造をちゃんと熟知してるヤツは恐らく、こんな事件を起こさない。自分の苦しんだ事は相手に苦しませたくない…そんな思いになるハズだ。」
「そうかもしれないな…」
誠は自らの病気の経験を他の誰かに経験なんてさせたくない。
「お前、ちょっとトイレ付き合え」
と、誠に声を掛ける。
(連れションとかあまりしない波留が…?)
そう思い、
誠は
「ちょっと行ってくる」
と、波留を追いかける。
ガタン…
トイレの水洗い場で、波留と誠は向かい合う。
「なした?」
わざとおどけた表情で話す誠に、波留が真剣な表情を浮かべ
「お前ら、惑わされてる。」
と、一言で言う。
「…え?」
「考えてみろよ。先週の金曜日に唯ちゃんと榎本の様子がおかしくなって、その後、刃物で追いかけられて…。そして、昨日、あんな事件があった。」
そこで誠は考え込むそぶりをする。
「もし、同一だったら…」
呟くように言う誠に
「そう。わざと、起こしてる。お前ら二人を内部破壊をさせようとして目論んでる。精神的にじわじわと追い詰めるようにしてな。」
波留は吐き捨てるように言う。
ぞくっとしながら誠は
「な、なんでそう思うの?」
と聞く。
「萌ちゃんと唯ちゃんの関係性から見てみろ。仲が良かった…そうは言っても、恐らく唯ちゃんの心にもしかしたら、別の思いがあったのかもしれない。」
「そ、それって…」
「話しを聞いてる限り、嫉妬。その部分を嗅ぎ取って、唯ちゃんに近づいたか、唯ちゃんが近付いたかしたんだ。まずは萌ちゃんと唯ちゃんの関係性を壊す事で、一つ萌ちゃんに喪失感を生ませる。…俺、少し前にじいちゃん亡くしてるけど…、喪失感は結構怖いものだ。心に隙間を生ませる。そこを犯人は付け込みやがった。」
「そんな巧みな事が出来るのか…?」
「恐らく、本人は気付かないまでも、そう言う精神構造を熟知してるか、予期せず熟知してしまったヤツ。恐らく俺は後者だと思う。そう言う精神構造をちゃんと熟知してるヤツは恐らく、こんな事件を起こさない。自分の苦しんだ事は相手に苦しませたくない…そんな思いになるハズだ。」
「そうかもしれないな…」
誠は自らの病気の経験を他の誰かに経験なんてさせたくない。