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手を繋ごう〜愛憎II〜
第7章 男の会話
誠は

「そうですねー。」

と、ため息を吐き、あの頃を思い出しながら言った。

「一時期はしんどくて仕方がなくて。転んで頭をぶつけてしまえば、そこで人生終了。みたいな感じ?感染症にかかんないようにって、なんっもない部屋に連れて行かれて、とにかく周りが厳重体制敷いてましたね。
その頃はまだ、ドナーとか、あんまり世間に知られてなくて、自分は奇跡的に助かった面があるんです。
仲の良かった友達とかが同じ病気で突然いなくなってしまった…そんな事も経験しました。」


隆は

「それと痴漢とで何が関わりがあるのか?」

と、率直に聞いた。

誠は

「うっ、痛い所突かれた」

と、言いつつ

「なんと言うか、自分の病気は「完治」じゃなくて、「寛解」なんです。」

隆は初めて聞く言葉なのか

「寛解って?」

と、聞いた。

「うーん…何て言ったら良いんでしょうね。掻い摘んで話せば、この時期までに再発しなければ、まぁ大丈夫でしょう。でも取り敢えず20歳くらいまで病院来て下さい。って状態かな?」

「と言うことはつまり…」

「ああ、もう薬は飲んでません。去年まではヒヤヒヤしてましたけどね」

と誠は苦笑いして言う。

「そうか…」

そう言う隆に誠は

「寛解してる。もう大丈夫だ。そう言われても、中々自分の中で処理しきれない何かがあったんでしょうね。
煩悩の塊になったり、萌の下着が透けてたってのもあったんだけど、昔から思ってた死ぬかもしれないって恐怖心から克服できないで、真正面から、俺も萌に言えなかったんです。」

「そして、挑発されて、思わずキスをした…そんな感じか?」

誠は隆の言葉に苦笑しつつ

「そうそう。真正面からぶつかりなさいよ!…なんて、ホント効きましたよね〜」

でも…と誠は続ける。

「ゆうちゃんとかねーちゃんとか、ゆうちゃんの旦那さんに説得?お説教されてしまって。萌はうざいんじゃないかって思ったんですけど、なんか、良い方向に向かっちゃいました。」

隆は

「ああ、あれは、ゆう先生が高橋さんに指令出してたの」

と言った。

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