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第6章 幕間…SS集…
「清蔵さん、私これから皐月の着物解くから、先お風呂入って。」

「すんません、お袋さん、世話んなります。」

お母ちゃんに手伝うてもろうて着物と髪を解くとホッとした。
お母ちゃんは着物を座敷の衣紋掛けに掛けて広げ、鬘は借りもんやから崩れんようにきちんと台に乗せて、帰っていった。
清蔵さんがお風呂から上がってきて、私も次の湯を頂く。

単衣の寝間着で部屋に帰ると、布団に清蔵さんが座っとって。
おいで、と呼んでくれるから、よろしくお願いします、と側に座った。
清蔵さんは優しくて。何度も大丈夫か、と気にしてくれて。
私は大した痛みもなく、初夜を終えることができた。

翌朝、目が覚めると隣に清蔵さんの姿はなく。
仕事に行ってくる、と書き置きがあった。
漁師の朝は早い。
お父ちゃんも船に乗るときは早よから起きとった…

嫁やのに一緒に起きもせんで寝こけとった…
溜息をついて起きる支度をし、昨日のお湯に水を足して沸かし直し、朝ご飯の支度をした頃、清蔵さんが漁から帰ってくる。
朝起きれんですいません、と謝ると、別に構わん、もう慣れとるから勝手に起きて行く、と言うてくれて、お風呂を沸かしとると知ると、ありがとう、よう気の利くことや、と喜んでくれて、私の朝ご飯も、美味い美味いと食べてくれた。
清蔵さんは、優しくていい人。
やっぱり、お父ちゃんとお母ちゃんの言うことに間違いはなかった。そんな人と結婚できた私は、幸せ。














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