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第7章 北川 樹
俺にできる事は何もない。
だからってこんな状態の遙を置いて、じゃあ頑張れと寝たり帰ったりも出来ない。
「なんか、して欲しい事ないか?」
「…手、握って…」
深い呼吸をしながら、遙が言った。
俺はベッドサイドにスツールを引き寄せ、座って遙の手を両手で挟むように握った。
「代わってはやれないけど…なんか、ごめん…」
「樹さんに代わって欲しいなんて思ってないよ。側に居てくれるだけで充分」
遙の言葉にちょっと泣きそうになった。
「あのね、…立ち会い、どうする?…イヤならやめてもいいよ…」
本当は遠慮したかった。俺自身はやっとけばよかった、て後悔より、やるんじゃなかった後悔のがマシだ、と思ってるタチだから、立ち会ってみるか、と思ってたんだけど。
宮本は奥さんの希望で立ち会わなかったらしく。他に仲良い既婚者の知り合いもいないし。実際に出産に立ち会ったヤツの感想なんて聞けなくて。ネットで調べたら、立ち会って良かった、という意見より立ち会わなきゃ良かったってのが多くて。
正直言って、日和った。
だからってこんな状態の遙を置いて、じゃあ頑張れと寝たり帰ったりも出来ない。
「なんか、して欲しい事ないか?」
「…手、握って…」
深い呼吸をしながら、遙が言った。
俺はベッドサイドにスツールを引き寄せ、座って遙の手を両手で挟むように握った。
「代わってはやれないけど…なんか、ごめん…」
「樹さんに代わって欲しいなんて思ってないよ。側に居てくれるだけで充分」
遙の言葉にちょっと泣きそうになった。
「あのね、…立ち会い、どうする?…イヤならやめてもいいよ…」
本当は遠慮したかった。俺自身はやっとけばよかった、て後悔より、やるんじゃなかった後悔のがマシだ、と思ってるタチだから、立ち会ってみるか、と思ってたんだけど。
宮本は奥さんの希望で立ち会わなかったらしく。他に仲良い既婚者の知り合いもいないし。実際に出産に立ち会ったヤツの感想なんて聞けなくて。ネットで調べたら、立ち会って良かった、という意見より立ち会わなきゃ良かったってのが多くて。
正直言って、日和った。