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第10章 萩原 義隆
金曜日の夜。
喉が渇いてお茶を飲もう、と冷蔵庫を開けた。
隆行と2人暮らしだった頃は、ペットボトルのお茶を箱毎購入して冷蔵庫に入れていたが、菜摘と暮らしだしてからは彼女がお茶を作ってくれる。
パックの麦茶を煮出してガラスのポットに入れておいてくれるので、いつでも冷たい麦茶が飲める。
わざわざ湯を沸かしてから冷めるのを待って冷蔵庫で冷やすなんて面倒じゃない?パッケージに書いてあるように水出しでも良いんじゃないかと言ったら、お湯で作った方が日持ちするから、と言われ。
そういうものか、と納得した。

冷蔵庫に入っていたポットは粗熱が取れて冷蔵庫に入れたばかりだったようで、然程冷えていなかった。
氷を入れるか、と冷凍庫を開けたら、氷の中からジップ付きの袋に入ったマニキュアの小瓶が出て来た。

当然のように冷たく冷えている。
何で冷凍庫にこんなものが…?と持ち上げてみると、小瓶の中のトロリとした液体が動く。
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