この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
some more storys
第10章 萩原 義隆
同じ色を2度塗り重ね、もうひとつの瓶を手に取ると、それは少し濃いピンク色。
それを爪の中程から先だけに塗り、幾本かの爪の根元にキラキラ光るラインストーンを置いて、最後に透明のマニキュアを塗った。
およそ30分程の全行程を、お茶を飲みながらぼんやりと眺め、余りの手際の良さに感心した。
「器用なもんだね」
「いつもやってるから。」
菜摘がにこりと微笑む。そして小瓶や道具をケースにしまうと、
「義隆さんもやる?」
と私を見た。
「⁉︎」
恐らく、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたのだろう。
「ネイルじゃなくて、ハンドケアよ。」
菜摘は可笑しそうにくすくすと笑う。
「いいよ、私は…」
「そんなこと言わないで、絶対気持ちいいから。」
菜摘は急に何かのスイッチが入ったようで、目をキラキラさせて、私も座れと言うように。となりの椅子の座面をパンパンと叩いた。
それを爪の中程から先だけに塗り、幾本かの爪の根元にキラキラ光るラインストーンを置いて、最後に透明のマニキュアを塗った。
およそ30分程の全行程を、お茶を飲みながらぼんやりと眺め、余りの手際の良さに感心した。
「器用なもんだね」
「いつもやってるから。」
菜摘がにこりと微笑む。そして小瓶や道具をケースにしまうと、
「義隆さんもやる?」
と私を見た。
「⁉︎」
恐らく、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたのだろう。
「ネイルじゃなくて、ハンドケアよ。」
菜摘は可笑しそうにくすくすと笑う。
「いいよ、私は…」
「そんなこと言わないで、絶対気持ちいいから。」
菜摘は急に何かのスイッチが入ったようで、目をキラキラさせて、私も座れと言うように。となりの椅子の座面をパンパンと叩いた。