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第18章 幕間…SS集…③
今は、お客さんのオーダーを聞いたりしながら採寸するのは父さんの仕事で。そこからパターン起こして縫製するのは僕がメイン。だけど、父さんも老眼が進んで、夜になるとメジャーの細かい目盛りが見えなくなってきてるらしいし、この先父さんが引退することを考えると、採寸とパターナーがいてくれると助かる、のは確かな話だった。
ま、兄貴がお客さんと話してオーダーとって、僕が無言で採寸する、ならアリなんだけど。兄貴は今より営業をかけて商売の幅を広げたいみたいだし、それがうまく行くなら手が増えるのは全然悪い話じゃない。ただ、それが今か、っていうと、大丈夫か?って感じ。
父さんが、いい子を見つけた、と履歴書を持ってきた。
今年専門学校を出たばかりの女のコだった。
ま、ウチが提示する給料で来てくれるなんて、学校出たての若いコか、家庭があってソコソコ時間の都合がつく主婦…くらいなもんだろう、とは思ったけど。
ある朝、開店前の掃除をしていたら、ドアが開いて、女のコが入って来た。
「おはようございます!今日からお世話になります、加藤 紗栄子です。宜しくお願いします!」
写真で見るより可愛いな…と思ったけど…やっぱり僕は初対面の人とは上手く話せなくて。
ましてや会ったばかりのコに可愛いねなんて言えなくて。
つい、素っ気ないというか寧ろ感じ悪い態度を取ってしまう。
そんな彼女が、後に僕の生涯の伴侶となることなんて…当然この時の僕が知るはずもなく。
そのことに僕が気付くのは…一年後の話。
ま、兄貴がお客さんと話してオーダーとって、僕が無言で採寸する、ならアリなんだけど。兄貴は今より営業をかけて商売の幅を広げたいみたいだし、それがうまく行くなら手が増えるのは全然悪い話じゃない。ただ、それが今か、っていうと、大丈夫か?って感じ。
父さんが、いい子を見つけた、と履歴書を持ってきた。
今年専門学校を出たばかりの女のコだった。
ま、ウチが提示する給料で来てくれるなんて、学校出たての若いコか、家庭があってソコソコ時間の都合がつく主婦…くらいなもんだろう、とは思ったけど。
ある朝、開店前の掃除をしていたら、ドアが開いて、女のコが入って来た。
「おはようございます!今日からお世話になります、加藤 紗栄子です。宜しくお願いします!」
写真で見るより可愛いな…と思ったけど…やっぱり僕は初対面の人とは上手く話せなくて。
ましてや会ったばかりのコに可愛いねなんて言えなくて。
つい、素っ気ないというか寧ろ感じ悪い態度を取ってしまう。
そんな彼女が、後に僕の生涯の伴侶となることなんて…当然この時の僕が知るはずもなく。
そのことに僕が気付くのは…一年後の話。