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第18章 幕間…SS集…③
田嶋 敬
新しく人を雇うことにした、と父さんから聞いた時、本気か?と耳を疑った。
ウチのどこに人を雇う余裕があるって言うんだ。
なんて、いい歳して外部就職せずに実家の家業をぬくぬく手伝ってるだけの僕が言うことじゃないんだけど。
父さんは何だかんだと1人で小器用に店を回してたけど、僕と兄貴はその才能を二分して特化したようなところがあって。
例えば兄貴は社交的で、お客さんと話したり提案したり銀行で融資を受けたり、そういうのは得意だけど、縫製とかの仕事はあんまり丁寧じゃない。
兄貴に言わせれば僕が拘りすぎらしい。
だけど、それなりのものなら既製品の量販店が幾らでもある。
ならオーダーメイドは丁寧に作り込んでナンボだろ。
対して僕はあまり社交的じゃないし、初対面の人と喋るのも、どっちかというと得意じゃない。
そのかわり、黙々と作業を進めるのは全然苦じゃない。
学生時代はもちろん友達もいたし、今付き合っている彼女もいるから、コミニュケーションが出来ないって訳じゃないんだ。
ただ、コミニュケーション能力に関しては…母さんのお腹の中から兄貴が全部持って行っちゃって、僕の分は残ってなかったんじゃないか…ってくらい、差があった。
新しく人を雇うことにした、と父さんから聞いた時、本気か?と耳を疑った。
ウチのどこに人を雇う余裕があるって言うんだ。
なんて、いい歳して外部就職せずに実家の家業をぬくぬく手伝ってるだけの僕が言うことじゃないんだけど。
父さんは何だかんだと1人で小器用に店を回してたけど、僕と兄貴はその才能を二分して特化したようなところがあって。
例えば兄貴は社交的で、お客さんと話したり提案したり銀行で融資を受けたり、そういうのは得意だけど、縫製とかの仕事はあんまり丁寧じゃない。
兄貴に言わせれば僕が拘りすぎらしい。
だけど、それなりのものなら既製品の量販店が幾らでもある。
ならオーダーメイドは丁寧に作り込んでナンボだろ。
対して僕はあまり社交的じゃないし、初対面の人と喋るのも、どっちかというと得意じゃない。
そのかわり、黙々と作業を進めるのは全然苦じゃない。
学生時代はもちろん友達もいたし、今付き合っている彼女もいるから、コミニュケーションが出来ないって訳じゃないんだ。
ただ、コミニュケーション能力に関しては…母さんのお腹の中から兄貴が全部持って行っちゃって、僕の分は残ってなかったんじゃないか…ってくらい、差があった。