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第2章 高野 正一郎
漁師をしとったトキエの親父が、船を修繕したところで卒中で倒れ、医者にかかったりで、結構な額の借金が出来た。
トキエは、この辺りの大方の女同様、手に職もない、職業婦人でもない。
返せる目処なんぞなかった。
できるとしたら、親戚に頭下げ回って当面助けて貰うか、や。
それでも借りるトコが変わるだけで、根本的な解決にはならん。
俺なら…勿論すぐに耳揃えて返すことは出来んやろうが、何年か働けば返す目処くらいは立つやろうと思った。
ただ、俺がトキエの家の借金を返す謂れはなく。両親に相談したところで、借金持ちの嫁なんぞ要らん、と言われるのが関の山で。
トキエも、そんな肩身の狭い思いはしたないやろうし、日々働いた金を貯めながら、何かええ方法がないか、と考え、考えあぐねてはまた働き…三年が過ぎた頃、俺に縁談が来た。
トキエは、この辺りの大方の女同様、手に職もない、職業婦人でもない。
返せる目処なんぞなかった。
できるとしたら、親戚に頭下げ回って当面助けて貰うか、や。
それでも借りるトコが変わるだけで、根本的な解決にはならん。
俺なら…勿論すぐに耳揃えて返すことは出来んやろうが、何年か働けば返す目処くらいは立つやろうと思った。
ただ、俺がトキエの家の借金を返す謂れはなく。両親に相談したところで、借金持ちの嫁なんぞ要らん、と言われるのが関の山で。
トキエも、そんな肩身の狭い思いはしたないやろうし、日々働いた金を貯めながら、何かええ方法がないか、と考え、考えあぐねてはまた働き…三年が過ぎた頃、俺に縁談が来た。