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第21章 幸村 昌希

『昌希?結婚式は決めたの?』
ある日母さんから電話が入った。たまたま由香とウチにいるときだったから、由香にだけ、「母さんから」と伝えて、電話をスピーカー通話に切り替えた。
9月に沖縄に2人で行く予定にしてるけど、と伝えると、
『あら、素敵ねぇ。写真ちゃんと送ってね?それから、日程と、宿泊先のホテル、フライトの便名、決まったらちゃんと教えてね?万が一の時、こっちに連絡の拠点があった方が安心だから。』
「うん、決まったらちゃんと連絡するよ」
電話を切ると、由香はびっくりしたようだった。
「昌希のお母さんてスゴイ心配性なのねぇ…高々数泊の国内旅行で…ちょっと過保護じゃない?」
「…まぁそう言うなよ。ウチは昔からそうなんだ。深谷さんも、兄貴のお母さんも事故で亡くしてるから。事故は、想定してない時に起こる、ってのが父さんの口癖みたいなもんでさ。誰かが旅行に行く時は、家族に連絡先を伝えておくのが暗黙の了解っていうか…決まりみたいになってて。父さんと母さんも、前に北海道行ったろ?土産貰ったじゃん。あの時も、離れてるから俺には言って来なかったけど、近くに住んでる兄貴には連絡先教えてたハズだし。まぁ兄貴が解ってればそこから俺にはすぐ伝わるしね。ま、それ以外はそんな詮索してくることもないし、別に過保護でも子離れ出来てないわけでもないからさ。」
「そうなんだ…」
由香も、妙に納得したみたいで。いいお母さんだね、と言ってくれた。
ある日母さんから電話が入った。たまたま由香とウチにいるときだったから、由香にだけ、「母さんから」と伝えて、電話をスピーカー通話に切り替えた。
9月に沖縄に2人で行く予定にしてるけど、と伝えると、
『あら、素敵ねぇ。写真ちゃんと送ってね?それから、日程と、宿泊先のホテル、フライトの便名、決まったらちゃんと教えてね?万が一の時、こっちに連絡の拠点があった方が安心だから。』
「うん、決まったらちゃんと連絡するよ」
電話を切ると、由香はびっくりしたようだった。
「昌希のお母さんてスゴイ心配性なのねぇ…高々数泊の国内旅行で…ちょっと過保護じゃない?」
「…まぁそう言うなよ。ウチは昔からそうなんだ。深谷さんも、兄貴のお母さんも事故で亡くしてるから。事故は、想定してない時に起こる、ってのが父さんの口癖みたいなもんでさ。誰かが旅行に行く時は、家族に連絡先を伝えておくのが暗黙の了解っていうか…決まりみたいになってて。父さんと母さんも、前に北海道行ったろ?土産貰ったじゃん。あの時も、離れてるから俺には言って来なかったけど、近くに住んでる兄貴には連絡先教えてたハズだし。まぁ兄貴が解ってればそこから俺にはすぐ伝わるしね。ま、それ以外はそんな詮索してくることもないし、別に過保護でも子離れ出来てないわけでもないからさ。」
「そうなんだ…」
由香も、妙に納得したみたいで。いいお母さんだね、と言ってくれた。

