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第23章 田嶋 美佳
百貨店のメンズフロアをひやかしてたら、カッコいいお財布を見つけて。
あ、隆行くんのバースデープレゼント、お財布とかどうかなぁ、と思いつく。
使ってるお財布、少し傷んでたし…私の感覚ではそろそろ替え時だと思うんだけど、でも、替え時の感覚って人それぞれだし、気に入って使ってるとかだと、下手にあげるのもマズイかな…
結局、リサーチ不足を痛感するだけで、決定には至らなかった。
そうこうしてるうちに電話が鳴った。

「もしもし、美佳ちゃん…」

ちょっと沈んだ声。

「ランチ、終わった?」

敢えて、明るい声で返す。

「ん…今、ドコにいるの?」

「大丸。えーと、今8階だから…3階の連絡口で落ち合う?」

エスカレーター前のフロアガイドを頼りに提案すると、うん、じゃあそこまで行くね、と返ってきた。

3階につくと、隆行くんはもう着いてて。
遠目にも消耗してるのがわかった。

「お疲れさま。」

「…疲れた…」

「どこかで休む?」

「…食後だし…別にコーヒーとか飲みたい気分でもないんだよなぁ…美佳ちゃんが飲みたいなら別にいいけど…」
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