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第26章 武井 祥悟 & 沙織 ー made in kobe ー

妻の立場で行くとなればそれなりの格好でなきゃだろうし、お正月らしく着物で、なんて言われたら私訪問着なんて持ってないし。
きっとそこからして大ごとになるもの。

服ならおかんの借りればいいじゃん、とも言われたけど。
祥悟くんはお母様が170センチ近い長身だってことを忘れていらっしゃるようで。流石に10センチ以上低い私に貸して頂けそうな洋服はないだろう。着物だってそんだけ違えば着丈から何から全て違ってくるんだから。
でもそんなこと言ったら、じゃあ今から買いに行く？なんて言いかねないから、残念だけど仕事が忙しいの、と言い切った。
話を聞いたら案の定、女性社員も時間が昼間だから、パーティドレスやイブニングドレスってワケではなかったようだけど、キレイなワンピースやスーツで来てる人が多くて、振袖を着た若いコもいたらしい。
もちろん重役クラスの奥様方もそれなりだったそうで、行かなくて正解だったわ、と胸を撫で下ろしたのだけど。

とにかく、祥悟くんも昨日は、私にプロポーズしてくれた時と同じ、カッコいいネイビーのスリーピースに、パーティ仕様のシャンパンゴールドのネクタイとお揃いのチーフでバッチリ決めて出かけたワケで。
その祥悟くんが、そのスーツどこの？と聞くくらい素敵なスーツを着てたワケね、萩原さんは。