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第26章 武井 祥悟 & 沙織 ー made in kobe ー

そこで紅茶が出てきて、私も一緒に頂いた。
田嶋さんは大きな本のようなものを持ってきて。
開くとそれは生地見本。
5センチ角くらいの小さな生地がたくさん貼り付けてあって、実際触れる感じ。

「この小さなサンプルですと若干暗い色目に見えますし、柄も大きくなると違って見えますので、こちらは参考程度で。生地の質感等をご覧頂いて、数点お選び頂いたものの生地が在庫にございましたら奥から出して参ります。」

祥悟くんはサンプル帳をめくりながら、

「ネイビーと、キャメルは持ってるんで、グレー系かなぁ…」

「ご着用のシーンはビジネスですか？」

「…ですね…でも人と会うことも多いので、あまり地味なのは…」

「グレーは地味になりがちな色味ではありますけど、色の幅が広いので、遊べる色でもありますよ。生地の質感で華やかにもできますし、グレンチェックや千鳥格子など、柄があってもいいかもしれません。若しくは、ウェストコートの色を変えて遊ばせるのもおススメですよ。」