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第26章 武井 祥悟 & 沙織 ー made in kobe ー

「あぁ、グレンチェック、いいですね。」
「大きな生地をお持ちしましょうか?」
「いいんですか?」
「何点かありますので。お気に召さなければ取り寄せになりますが…」
お兄さんは、サンプル帳を持ったまま立ち上がり、近くの棚に広げて置いた。
テーブルくらいの高さの棚には、丸めたネクタイや畳まれたシャツなんかが並んでる。
普通の洋服屋さんみたいに、商品がひしめきあってる感じはないんだけど、ゆったりとスペースをとって並べてある感じが上質のブティックのようだった。
そのまま奥に下がって行き、幅30センチ、長さ1メートル強くらいの、布が巻かれた束をいくつも持ってくる。あぁ、こういうの、ユザワヤとかで見たことある…
「どうぞ。」
淡い色から濃い色まで、一口にグレー系のグレンチェック、と言ってもこれだけ種類があるんだ…あ、この色キレイ…とひとつに触れたら、
「沙織ちゃんもそれ気に入った?俺もこの色いいなぁって思った。」
「そちらですか?いい色合いだと思います。ウェストコートは如何なさいますか?共地で宜しいでしょうか?」
「ですね。この生地綺麗なんで、同じもので。でも、室内でジャケットを外しても決まるように、背中側も裏地じゃなく、共地にしてほしいです。」
「大きな生地をお持ちしましょうか?」
「いいんですか?」
「何点かありますので。お気に召さなければ取り寄せになりますが…」
お兄さんは、サンプル帳を持ったまま立ち上がり、近くの棚に広げて置いた。
テーブルくらいの高さの棚には、丸めたネクタイや畳まれたシャツなんかが並んでる。
普通の洋服屋さんみたいに、商品がひしめきあってる感じはないんだけど、ゆったりとスペースをとって並べてある感じが上質のブティックのようだった。
そのまま奥に下がって行き、幅30センチ、長さ1メートル強くらいの、布が巻かれた束をいくつも持ってくる。あぁ、こういうの、ユザワヤとかで見たことある…
「どうぞ。」
淡い色から濃い色まで、一口にグレー系のグレンチェック、と言ってもこれだけ種類があるんだ…あ、この色キレイ…とひとつに触れたら、
「沙織ちゃんもそれ気に入った?俺もこの色いいなぁって思った。」
「そちらですか?いい色合いだと思います。ウェストコートは如何なさいますか?共地で宜しいでしょうか?」
「ですね。この生地綺麗なんで、同じもので。でも、室内でジャケットを外しても決まるように、背中側も裏地じゃなく、共地にしてほしいです。」

