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第30章 幕間…SS集…⑤
新田 誠治 ーバイバイー
白い木の棺の中に横たわった、響子。
痩せてはいるが、綺麗に化粧してもらってる。
予算的に、いい花を沢山使ってるわけではないけど、百合の花を沢山棺に入れてもらった。
白い花の中で眠る響子は、お伽話のお姫様みたいだな。
「誠大。ママにバイバイして。」
「ママ、どこに行くの?」
「…お空…かな…」
「いつ帰ってくるの?」
「…もう、帰ってこれない…だから、ママに会えるのは、これが最後。バイバイ、できるよな?誠大は、男のコだもんな?」
誠大は、何か堪えるように唇を噛み締めていたが、
「バイバイ…」
と呟いた。俺の目から涙が溢れ、目尻を指で拭った。
母親が死んだ、という事実はまだよく理解できていないようだったが、もう帰って来られない、もう、会えないのだ、ということは子供ながらに察しているようだった。
棺の蓋が閉じられ、出棺の準備が始まる。
火葬場へは、俺だけ霊柩車に乗って。
後の家族はマイクロバスで移動して貰い、窯に入れる所までは全員で見守り。
子供達はもう限界だから、2人ともおかんに連れて帰って貰う。
骨揚げは俺と、響子の兄夫婦と、お母さんでやった。お母さんとお義兄さん夫婦に礼をいい、骨壷を持ってタクシーで帰宅した。
仏壇…買わなきゃな…どこに置けばいいのか分からんから、取り敢えず和室の座卓に骨壷を置き、ソファに寝転がる。
バイバイ…響子。
また、会う日まで。
何十年後か分からんけど、待ってて。
両手で顔を覆い、声を出して泣いた。
ずっと、誠大や満希と一緒だったから、思いっきり泣いたり出来なかった。でも、今は、独りだから。
独りなんだ、と実感したから。
泣いて、そのまま眠った。
白い木の棺の中に横たわった、響子。
痩せてはいるが、綺麗に化粧してもらってる。
予算的に、いい花を沢山使ってるわけではないけど、百合の花を沢山棺に入れてもらった。
白い花の中で眠る響子は、お伽話のお姫様みたいだな。
「誠大。ママにバイバイして。」
「ママ、どこに行くの?」
「…お空…かな…」
「いつ帰ってくるの?」
「…もう、帰ってこれない…だから、ママに会えるのは、これが最後。バイバイ、できるよな?誠大は、男のコだもんな?」
誠大は、何か堪えるように唇を噛み締めていたが、
「バイバイ…」
と呟いた。俺の目から涙が溢れ、目尻を指で拭った。
母親が死んだ、という事実はまだよく理解できていないようだったが、もう帰って来られない、もう、会えないのだ、ということは子供ながらに察しているようだった。
棺の蓋が閉じられ、出棺の準備が始まる。
火葬場へは、俺だけ霊柩車に乗って。
後の家族はマイクロバスで移動して貰い、窯に入れる所までは全員で見守り。
子供達はもう限界だから、2人ともおかんに連れて帰って貰う。
骨揚げは俺と、響子の兄夫婦と、お母さんでやった。お母さんとお義兄さん夫婦に礼をいい、骨壷を持ってタクシーで帰宅した。
仏壇…買わなきゃな…どこに置けばいいのか分からんから、取り敢えず和室の座卓に骨壷を置き、ソファに寝転がる。
バイバイ…響子。
また、会う日まで。
何十年後か分からんけど、待ってて。
両手で顔を覆い、声を出して泣いた。
ずっと、誠大や満希と一緒だったから、思いっきり泣いたり出来なかった。でも、今は、独りだから。
独りなんだ、と実感したから。
泣いて、そのまま眠った。