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第31章 吉田 理恵
圭吾くんがゲージを持ち、私は貰ったフードを持って、車に戻る。
ゲージを動かすと、猫が起きて、ゲージの中でにゃーん、と不安そうに鳴いた。

「大丈夫だよ」

ゲージをトントンして車のドアを開ける。

荷物を後部座席に置いて、私は助手席でゲージを膝に置いた。

「服、シワにならない?大丈夫?」

「大丈夫。」

ゲージのメッシュ越しに、私の指の匂いを嗅いで、不思議そうな顔をする。

「あ、ニオイ覚えてくれてるよ」

「あ!俺もやる!」

圭吾くんがシートベルトを締めながらメッシュに指を近づけると、同じように匂いを嗅ぐにゃんこ。

「名前、どうするの?」

「…俺ネーミングセンスないからさ、理恵ちゃんが考えてくれない?」

確かに…コタちゃんはカワイイといえばカワイイけど、フルで呼ぶとコタツって…ビミョーだな、とは思ってた。
でも子供の頃につけたんだから仕方ないな、とは思ってたけど。
でもそんな風に言われちゃうと私だってネーミングセンスに自信なんてない。
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