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第31章 吉田 理恵
お腹がいっぱいになったフクちゃんを、2階の圭吾くんの部屋で寝かす。
部屋の隅にフリースを畳み、上にタオルを敷いてやると素直にうずくまる。圭吾くんがヘラのようなものを出してきて。背中を撫でてやると、目がトロンとして。タオルの端っこを噛みながら寝てしまった。

「何?それ。」

「これ。猫の舌を再現したヤスリ。舐めて毛繕いするのと似た感触なんだって。コタに買ったんだけどコタも好きだったんだ、コレ。普通のブラシより気持ちいいみたい。」

ヘラの表面が細かいギザギザが付いてて、本当に猫の舌っぽい。
これで撫でられるとお母さんに毛繕いして貰ってる感じなのかも…
そう思うと、こんなに小さいのにお母さんと離れちゃったんだなぁ、としんみりしてしまう。まぁペットショップにいるのだってみんなこのくらいなんだろうけど…

圭吾くんの部屋で、ベッドにもたれるようにカーペットに座り、すやすや眠るフクちゃんを眺めてたら、圭吾くんが私の肩に腕を回してキスしてきた。
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