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第35章 新田 桜子
「ねぇ、パパ!」
夕飯の途中、娘の満希が誠治さんに話しかける。
「ん?」
誠治さんは、お味噌汁を啜りながら、上目ではす向かいの満希を見た。普段の夕飯は、私と満希だけで、上の誠大は塾や部活があるから少し遅め。
誠治さんはさらに遅いこともザラ。
でも今日は土曜だから、家族揃っての夕飯だった。
「私の成人式のときって、振袖買ってくれる?」
いきなりの直球に、ゴフッ!とお味噌汁を吐き出す誠治さん。
私はとっさにティッシュを2、3枚取って、誠治さんに渡した。
ゴホゴホとむせながら、ティッシュを受け取り、呼吸を整える。
「…何をイキナリ…」
「お前の成人式なんてまだ後6年もあるだろ。俺のが先だっての。」
呆れたように吐き捨てた誠大に、満希はほっぺたを膨らまして、
「お兄ちゃんは男なんだからスーツでいいじゃん!羽織袴のオトコなんてチャラいヤツばっかだって!」
夕飯の途中、娘の満希が誠治さんに話しかける。
「ん?」
誠治さんは、お味噌汁を啜りながら、上目ではす向かいの満希を見た。普段の夕飯は、私と満希だけで、上の誠大は塾や部活があるから少し遅め。
誠治さんはさらに遅いこともザラ。
でも今日は土曜だから、家族揃っての夕飯だった。
「私の成人式のときって、振袖買ってくれる?」
いきなりの直球に、ゴフッ!とお味噌汁を吐き出す誠治さん。
私はとっさにティッシュを2、3枚取って、誠治さんに渡した。
ゴホゴホとむせながら、ティッシュを受け取り、呼吸を整える。
「…何をイキナリ…」
「お前の成人式なんてまだ後6年もあるだろ。俺のが先だっての。」
呆れたように吐き捨てた誠大に、満希はほっぺたを膨らまして、
「お兄ちゃんは男なんだからスーツでいいじゃん!羽織袴のオトコなんてチャラいヤツばっかだって!」