この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
some more storys
第35章 新田 桜子
「…満希、それは何情報だ?」
誠治さんが目をぱちぱちさせながらつっこんだ。
「成人の日のテレビ中継。カメラに向かってバカ騒ぎしてる男子は大抵羽織袴だから。」
「…一理あるな…」
たしかに。
「でもなんで急にそんなこと…」
「だって!友達のリナちゃんのお姉ちゃんが、来年成人式で、振袖作るのに、呉服屋さんの展示会に行くんだって。リナちゃんも一緒に行くって言うの、楽しそうなんだもん!」
「…だからって今からそんなこと言わなくても…」
「だって着物って高いんでしょ?だったら急に言うより先に言っといた方がいいかなと思って。」
「気遣いどうもありがとう…」
誠治さんはげんなりした顔でお茶を飲んだ。
「成人式の着物なんて今日日レンタルが主流なんじゃないの?どこ行っても貸衣装で成人式とか看板出てんじゃん。そもそも着物なんか成人式の他に着る機会ってあんの?」
誠大は満希に負けたくないのか、口を挟んできた。
普段はそんなケンカしたりもしない兄妹だけど、できるだけ平等に、を心がけたせいか、お互い片方だけ贔屓されるのを嫌う。
誠治さんが目をぱちぱちさせながらつっこんだ。
「成人の日のテレビ中継。カメラに向かってバカ騒ぎしてる男子は大抵羽織袴だから。」
「…一理あるな…」
たしかに。
「でもなんで急にそんなこと…」
「だって!友達のリナちゃんのお姉ちゃんが、来年成人式で、振袖作るのに、呉服屋さんの展示会に行くんだって。リナちゃんも一緒に行くって言うの、楽しそうなんだもん!」
「…だからって今からそんなこと言わなくても…」
「だって着物って高いんでしょ?だったら急に言うより先に言っといた方がいいかなと思って。」
「気遣いどうもありがとう…」
誠治さんはげんなりした顔でお茶を飲んだ。
「成人式の着物なんて今日日レンタルが主流なんじゃないの?どこ行っても貸衣装で成人式とか看板出てんじゃん。そもそも着物なんか成人式の他に着る機会ってあんの?」
誠大は満希に負けたくないのか、口を挟んできた。
普段はそんなケンカしたりもしない兄妹だけど、できるだけ平等に、を心がけたせいか、お互い片方だけ贔屓されるのを嫌う。