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第35章 新田 桜子
お正月休みも明けて、新学期が始まり、満希は意気揚々と学校に行った。

お友達が呉服屋さんの展示会に行くのは週末の三連休らしくて、それに先駆けて、お正月にママの振袖着させて貰ったんだぁ!と他の友達にも自慢して、みんなからも羨ましがられ、鼻高々だったらしい。

当の友達も、満希ちゃんの着物可愛い!私もそんなのにしたい!と言われて写真をくれとせがまれたから、写真を送った、と言ってて。私のは高いヤツだなんて言っちゃダメよ?と釘を刺したら、そんな事言ってないよ!と口を尖らせた。
一応言っていいコトと悪いコトの区別は付いてるみたいで安心した。
お母さんは振袖をしまう時に小さなカビを見つけたみたいで、放っとくと良くないから!と洗い張りに出したと言っていた。仕舞い込んだままだったら、あてにしておいていざ着ようとした時の補修費の方が馬鹿にならなかった、かもしれないわね、とちょっと胸を撫で下ろし、今のタイミングで振袖の話題を出してくれた満希にちょっと感謝した。

6年後を今から楽しみにする両親に、親孝行、なんて言えるレベルではないにしても、少し先の楽しみを提供できたことを、嬉しく思って。やっぱり誠治さんとご縁があってよかったなぁ、と、しみじみ思った。






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