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第4章 高野 皐月
高校を卒業して、十八になって。
集団就職で名古屋に行った。
旅館で仲居の仕事についた。
ある日、女将さんに呼ばれて、お父さんが来とる、と言われた。
私は嬉しなって、慌てて行った。
「お父ちゃん!」
見覚えのある背ぇの高い後ろ姿に呼びかけた。
いつもやったら、おぅ、と手を挙げて振り返って笑うてくれるお父ちゃんは、反応が薄くて。見たことないおじさんと向かい合わせで椅子に座っとった。
その人が立ち上がって、
「皐月…」
と私の名前を呼んだ。
誰?
「皐月、女将さんには了解もろうてるから。ここにちょっと座り。」
お父ちゃんは、静かに呟いた。
示されたのは、お父ちゃんらが座った、テーブルを囲むように四つ並んだ椅子のひとつ。
集団就職で名古屋に行った。
旅館で仲居の仕事についた。
ある日、女将さんに呼ばれて、お父さんが来とる、と言われた。
私は嬉しなって、慌てて行った。
「お父ちゃん!」
見覚えのある背ぇの高い後ろ姿に呼びかけた。
いつもやったら、おぅ、と手を挙げて振り返って笑うてくれるお父ちゃんは、反応が薄くて。見たことないおじさんと向かい合わせで椅子に座っとった。
その人が立ち上がって、
「皐月…」
と私の名前を呼んだ。
誰?
「皐月、女将さんには了解もろうてるから。ここにちょっと座り。」
お父ちゃんは、静かに呟いた。
示されたのは、お父ちゃんらが座った、テーブルを囲むように四つ並んだ椅子のひとつ。